TA-E9000ES / TA-N9000ES 1998年11月

投稿者: | 2022-10-09

AVアンプでは珍しいセパレート仕様の機種、TA-E/N9000ESです。とはいっても、実は本機は実質第二世代。
TA-E1000/2000ESD(プリ)、TA-N110/220/330ES(パワー)に次ぐESシリーズのAVセパレートアンプです。

コロンビア・ピクチャーズを買収し傘下にしたのが1991年。この頃はまだバブルの真っ只中というのもあってか、
「アメリカの魂を買い取りやがって!」とコロンビアレディ(制作作品の冒頭に出てくる「自由の女神」に似た)に
着物を着させた写真を雑誌の特集に出し、日本を揶揄した記事が掲載されていたのも多々あった。
本文に記載のSDDS(SONY Dynamic Digital Sound)方式の採用が1993年。これもその恩恵によるところが大きいかと。
ただ設備投資のハードルが高すぎて、この方式を採用している映画館って国内でもピーク時で7館、今では皆無かも?

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スピーカーの複数配置となるとどうしても「あの忌まわしき4ch」という方もいるかと思います。
1970年代に流行った4chステレオ。ディスクリート方式とマトリックス方式に分けられ、前者は日本ビクターが
採用したCD-4(Compatible Discrete 4-channel)と日本コロムビア(現・デノン(D&M))が採用したUD-4
(Universal Discrete 4-channel)の2方式が出ていて、こちらは録音・伝送・再生すべてを4chで行う方式で
故にディスクリート(独立)という表現に。後者は伝送を2chとし、左右の信号の和/差分を合成する形で再生する
形を取ってマトリックス方式という。主だったところはシャイバー方式と山水電気のQS(Quadra Sonic)方式、
それとCBS(ソニーも絡んでた?)のSQ(Stereo-Quadraphonic)方式。
ただ山水電機のQS方式デコーダーのリバースエンジニアリングを各社行ったが故に方式が乱立。
出したところでもパイオニア・トリオ(現:JVCケンウッド(KENWOOD))・三洋電機・東芝・シャープ・オンキヨー・
松下電器(Nationalブランドで)とユーザー完全無視状態。これに業を煮やした日本レコード協会及び電子機械工業会が
規格を絞り、CD-4・RM(Regular Matrix これには山水電気のQS方式も含む)・SQ(レコード協会のみ認定)の3つに。

でもサラウンドを語るには避けて通れない”4chステレオ”の話はここまでとして本編へ。
確かにスピーカーの配置を映画館と同様に・・・なんて殆ど不可能な話なので、5.1chで如何に近づけるかと云うのが
本編の「バーチャル3Dモード」ということ。(本当は「ヴァーチャル」にしたいところだが、本編でも「バーチャル」
表記なので、名称扱いとして以降もこの表記は変更せず。)本機だと仮想スピーカーの設定をリスニング位置の
やや上方に設定してあるということなんですが、現在だとドルビーアトモスみたいなものになるのだろうか?
ただドルビーアトモスのスピーカー設定は基本7-1-2ないし、7-1-4(メイン:7、ウーファー:1、
ハイト(トップ):2ないし4ch)ではあるが。
(一応、2chとかでも効果はあるけれどね。(ヘッドホン対応のとか、ヴァーチャル設定のあるものとか。))
この「バーチャル3Dモード」が、現在の”360 Reality audio”に繋がるのでしょうかね。

文中にある「音響ホールでの測定データでは映画館の音は再現できない」という書き込み、これって当時ヤマハが
出していたAVアンプ(CINEMA-DSP)に対するアンチテーゼみたいなものだったのかと。現に音響処理に関しては
ヤマハとは10年近い開きがあったからね。(元になるDSPによるエフェクトを開発・販売したのが1987年のDSP-1。
その頃他社ではデジタルディレイとかを駆使した方法はあるにはあったが(楽器メーカーのローランドも一時期
出していた)、そこまでだった。この頃はサラウンド関連も、まだドルビー・サラウンドが出て間もなかった。)
ヤマハのCINEMA-DSPでは、この頃はダビングステージでの特性を参考に仕上げていたから、前出の言い回しが
こと尚更含みを帯びていた感が。うちはシアター設備もありますから、これらの音響特性を参考にすればいいわけで
という風に本編では謳ってます。これにバーチャル3Dモードを掛け合わせればご覧の通り!ということでしょうかね。

プリアンプ・TA-E9000ES。 目指したのは「ピュアオーディオ機器としても使えるAVプリアンプ」。
本文では”Rシリーズ”にも通ずる構成にしたとも謳ってますが、流石にデジタル系の2年の開きは大きいかと。
DVD-videoの音声フォーマット(最大時 サンプリング周波数:96kHz、分解能:24bit)にも対応せねばなりませんから。

ドルビーデジタルのデコードに業務用と同様のDSP、アナログデバイセス社の”SHARC”を使っているということは、
意地悪な云い方をすれば「業務用と同等の構成にしておけば間違いない」ってなことに。
dtsフォーマットのデコードも同様でしょうかね。詳細は掲載されてないですが。

本機のリモコンなんですが、自分何となく「何処かで見たような・・・」感があったのですが、
これって国内だと「ソニー幻のPDA」MagicLinkに近いなあ・・・って思ったわけでして。
MagicLinkって何?・・・と思った方は、下記2つのサイトを参照してみてください。
General Magic MagicLink (8) MagicLink 発売! | Good Old Bits (wordpress.com)
MagicLink (butsuyoku.net)
ただ、画面そのものはむしろシャープにあった「ZAURUS」に近い感が。

パワーアンプ・TA-N9000ES。前作のはフロント/センターとリア(サラウンド)を分ける形でしたが、
今回の構成では各ch毎同一アンプで駆動したほうがいいのでは?・・・という考えでしょうか。
あとグラウンドの取り方ですが、本機では基準点を電源側からでは無く、一旦アンプ側に寄せてから各部に
引き回す構成に。この考え方、構造的に電源部とアンプ部をどう分割するのかということになるのですが・・・

・・・で、その分割構造がp17右上なのですが、この構造ではグラウンドインピーダンスの均一化は
難しいか・・・って思えるわけでして。まあ、この構成ってプリメインでも同様なんですね。
「Rシリーズ」の開発担当が関与しているのなら、この点でもメスを入れるべきだった?

p18に掲載のプロジェクター・VPH-D50HTJ。まだプロジェクターに3管式も出ていた頃か。
p19に掲載のDVDプレーヤー・DVP-S7700。前モデル(DVP-S7000)同様にフラップ開閉式ですが、
こういう開閉機構って、故障多発したのでは? 自分も現に似たような機構のビデオデッキを
使っていたこともあってか、どうもこういうのって余計な機構にしたがるのだろうと思うのですが。

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