BVW-2 1984年10月

投稿者: | 2021-11-02


ご存知ベータカムの一体型カメラです、と言いたい所ですが・・・この機種は検索しても全く見つかりません。
Wikiにさえ掲載がありません。左上に”PRELIMINARY”とありまして、これは「予備・準備」という意味らしいですが、実際には発売されなかった機種なのでしょうか。謎です。


後ろに写っているのはポータブルVTRのBVW-20。

 


1/2インチSMFトリニコン、6倍手動ズーム、光学式ファインダー・・・

 

追記;謎だったBVW-2に関して、ブログ読者の方から解説そしてNHK仕様のBVW-2Nの写真をいただきましたのでここに掲載します。



BVW-2はNHKがソニーと共同開発したカメラで、昭和59年時点で47カ所の通信部に配備された事が分かっています。
当初はNHKだけでなく一般販売も検討したのでしょうが
単管は本当に映像がひどく(肌色が緑っぽく写る)NHK記者の事件、事故の一報用としての
速報性の機能しか用途が無かったのではないかと思われます。結果、市場には殆ど出回らなかったと。

しかし、民生機として最初に商品化された一体型ベータムービーの内部をベータカムに換装するという
発想自体は面白く、評価出来るのではないかと思います。
こうして異形の報道カメラが出来上がりました。

NHKの通信部ではプロのカメラマンではなく記者がカメラを回していました。
速報性だけでなく、小型軽量の機材が好まれた要因のひとつです。

BVW-1の写真も送ります。
1はボロボロですが2のほうは殆どデッドストック状態で
新品のように奇麗でした。


当時、ソニー製のビデオカメラはベージュやグレーで塗装した物が多かったのですが
NHKは現場でのガラス等への映り込みを嫌って、真っ黒な塗装を特注していました。
昨今では放送業務用のほぼ全ての取材カメラが黒い筐体を身にまとっています。
N仕様は塗装の他、細かなデザイン変更やタリー、制御系の配線に市販品とは異なった部位があったと
聞いています。


ブラックボディのBVW-1N、赤いNHKロゴと相まって非常にかっこいいですね。
BVW-2も未使用状態でピカピカです。

また同時に放送用機器の総合カタログの写真もいただいています。


82~83年頃の放送業務用カタログが出て来ました。
ベータカムが発表されて間もない頃で、ようやくBVW-1の写真が載っています。
ベータカムのシステム構成はまだチャート図のみでした。
放送業界の主力カメラはソニーのBVP-300と池上通信機のHL-79Dが覇権を競っていました。
天下ご免の1インチオープンリールVTRの紹介もあります。




BVP-110 / BVP-300A / BVP-330です。


BVU-800です。そういえばPCM-1630のカタログにはBVU-800DAが掲載されていました。


ポータブル機(記録専用):BVU-50
ポータブル機:BVU-110
U-matic初のダイナミックモーション機能付きデッキ:BVU-820


1インチVTRでポータブル!。BVH-500A
3時間記録が可能なBVH-1180
ダイナミックトラッキング対応のBVH-1100A

いずれも貴重な写真です。ご提供ありがとうございました。

BVW-2 1984年10月」への4件のフィードバック

  1. 匿名

    ここに出ている機材を(NHK仕向け以外)よく触っていました。BVW-2は民放にも販売されてましたよ。BVU-820(ダイナミックモーションではなくてダイナミックトラッキング=DT呼ばれてました)はUマチック初の8Bitコンピュータ制御 リール、チャプスタンモーターがダイレクトドライブ化になりでメカをコントロールしてました。丁度このころから報道でもA/Bロールのカット編集が盛んに行われるようになりました。
    1インチポータブルのBVH-500、500Aは写真で見るとSリールが1つしか見えませんがその下に(同軸上)2つ目のTリールが付いています。
    ベータカムは当初報道向けにUマチックの置換えで発売されていましたが、ベータカムSPが出てからは制作でも使われT/C同ポジ編集(コンポジット信号ではカラーフレーミング編集)メタルテープ使用では1インチに迫る高画質と評価されてました。

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  2. そいつはソニー

    当時放送カメラに興味があり、このカタログも送付してもらい現在も保有しております(笑)カメラやワイヤレスシステム総合カタログももらいました。BVW1はゴツくてかっこいいですなあ‼️初めてBETACAMを見た時はテープスピードに驚いたものです‼️(笑)そりゃ民生L500で20分しかもたないわ。BVW2で田舎の通信部が取材してるの見た事ありましたが、もう少しレンズとか工夫出来なかったのかな?今じゃ通信部もなくなりあのカメラマン(記者)さんはご健在なのか?初期のBETACAMはかっこいいから好きだなあ。

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  3. たけぴょん

    BVU50が手元にありますね。
    巻き戻しの出来ないので手動のハンドルはありました。
    (テープの裏に付けて手で回す。)

    数年前に動かした時は正常に動作しました。
    個人的にはU規格マニアでチューナのついた機器とか海外規格対応の機器があります。
    一緒に貰ったテープにはAVの収録テープで、、、即消去しました。

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  4. 匿名

    はじめまして。
    年寄の戯言として、どうかお許し下さい。
    当方のSONY歴は、このメーカーのモノ造りの原点とも言うべきキャッチコピー「Reserch makes difference」が使われる前からになるので、はや半世紀を超え、使用してきた製品も実に多種多様です。放送用ポータブルビデオカメラが喉から手が出るほど欲しかった撮像管全盛の頃、個人ではとても手が届きませんでしたが、そうこうしているうちに放送用機器にもCCDが使われるようになり、後期3CCDを何とか入手できたのは幸いなことでした。
    BVP-7の水平解像度700本は当時画期的でしたが、まだスミアがあり、後発モデルBVP-7AのCCDユニットを取り寄せて自前で交換し、いたく感激した思い出があります。NTSCカラーシステムについてNever Twice Same Color とのダジャレ(?)に接したときは納得したものですが、大枚をはたいて購入したカメラもシステムが地デジに代わったことでその役目を終え、ただの地金同然になってしまいました。
    随分バカなことをしたな! と思いましたが、いろんな勉強ができたことは今も役立っているので無駄ではなかった、と考えています。
    失礼しました。

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