KWP-5500HD / KW-3600HD 1991年11月

投稿者: | 2022-02-05

ハイビジョン「対応」テレビ プロジェクション型とトリニトロン管型の2種類。
ちなみにこの頃はまだ「アナログ」。しかも実用化実験放送扱いです。
それと「対応」を敢えて強調した理由は後出にて。

元々業務用のハイビジョンシステム”HDVS”を開発していただけのことはあって、力の入れようが凄い。
普通、文中にわざわざ発売日まで記載します? 右側のテレビは前年(1990)の12月発売ですが、左側の
プロジェクションテレビは「ハイビジョンの日」として制定された1991年11月25日に発売されています。
ちなみに何故(1991年)11月25日かというと専用帯域(BS-9ch)及びコールサイン(JO2C-BS-TV)が付与された
試験放送が始まったと云うことと、ハイビジョンの走査線数:1125本にちなんでということです。
NHKだけでは無くWOWOWを含めた民放も専用番組を持つことに。なお、更に1994年には実用化試験放送と
云う形になり民放ではCMも流せることとなったのだが、残念ながら(?!)最初のCMはソニーじゃなくって
パナソニックの「ハイビジョンテレビ画王」だったという。(放送した局はTBS)

こういうプロジェクション型を出していた処は意外となかったかと。あとはパイオニアぐらいだったか。

まあ業務用の受像機だとプロジェクターのほうでも需要はあるから、民生用に置き換えるにしても
容易じゃ無いにせよ、一から起こすよりは開発はスムーズにいけたのかと。
それから後出のテレビでも同様だが、当時のハイビジョンでのサラウンド放送は3-1ステレオ方式だから
リアはモノラルでもいいのでは?と思うが、2機種ともドルビープロロジックデコーター内蔵なので
L/R独立ということです。

左記下部にある画面比16:9に関しての話を。映画の画面比が欧州(1.67:1)と米国(1.85:1)で異なるため
統一化を図りたいが故にその間を取ったという経緯が。

この頃、後記のテレビも同様なんだけれども2画面どころか多画面表示って流行ったよね。
現行の画面比は4:3であることを上手い具合に置き直す表示方法・・・ピクチャー・アウト・ピクチャーって
云っていたところが多かったか?

あとシネマシャッター機能というのがついているのだが、これって物理的なシャッターだとは。

写真では設置に関してはもう洋間であることが前提なんだろうか? というか、和室だとこの筐体重量に
耐えきれるかどうかっていうのもあるのでしょうか? 何せ、この2機種専用コンテナを使用するとのこと。
(KWP-5500HD:195kg、KW-3600HD:総重量・158kg 専用ラック:本体・80kg スピーカー用:28kg)
ちなみに下のテレビのシステム構成でいくと、総重量・約0.3t!
グランドピアノ並みの重量となるので、それなりの耐荷重対策が必要!

ラックの中身に注目! videoHi8、LDプレーヤー(CDとのコンパチブル・ソニーではMDPといっていた)はまだしも、
ED-Betaじゃなくって、S-VHS! しかもOEMじゃなくって自社製!

管の蛍光面処理について、光を吸収するのでは無く反射させる方式にしたのはこの機種が自社初ということに。
輝度を上げるには黒くするより反射でしょうね。
そういえばこれが出た後からかな? 黒過ぎた管(ブラックトリニトロン管)からチタニウムグレーに変わったのは。

付属のスピーカーだけどオーディオ部署から協力を得たと云うこともあってか、ユニット構成は当時出ていた
”La Voce(ラ・ヴォーチェ)”・SS-A7に近いところはあり、文中ではその音質を余すこと無く再現したいが故の
採用とはいうものの、当時の衛星放送・Bモード(fs:48kHz)をもってでも役不足な気がしないでもない。

液晶タッチパネル型のリモコンは同時期に出ていた学習リモコン(型式失念)の延長上にあるものだろうか?
これが双方向になるとまさにSL-2100のリモコンになるのだが、使用頻度の高いボタンは機械式のほうが良いのかと。

それから両機種ともクリアビジョン対応と謳ってはいるけれど、元々走査線数がハイビジョンに合わせた形では
実質インターレースにならないのだろうか? 525pでも管自体は1125iのはずなので。それとも更に倍密度処理を?
欲を言えば価格的にゴーストリダクションチューナー仕様だったら、真の意味での対応なんだろうけれど。

背面端子群でふと思ったのですが、スピーカー端子がバネ式じゃなくターミナル型というのは自分が知る限り
この機種以外無かったかと。しかも全チャンネル。バナナプラグにも対応なの?

前出にもあるように何故「対応」を強調したのか? 両機共MUSE-NTSCコンバーターは内蔵で放送そのものは
一応NTSCレベルで観られるのですが、本来の画質で観るためにはどちらもこのMUSEデコーダーが必要とのこと。
どことなく黒いDAS-R1aあるいはCDP-R1a/R3みたいですが、CDやDACではないです。
第1世代故、まだ専用のLSIとかも出来ていないのでこの価格(¥1,800,000・税抜)!
というより、そもそもこの頃は衛星放送自体まだ黎明期。故にアンテナ自体も高かった。


実はこのKW-3600HDなんですが、2017年9月5日に国立科学博物館から、未来に引き継ぐのにふさわしい
「重要科学技術史資料(通称:未来技術遺産)」に認定されてます。
※『最初期の家庭用高輝度ハイビジョン受像機』として認定。>no226.pdf (kahaku.go.jp)
(参考:トリニトロン管使用テレビ自体(KV-1310)は2010年に認定。)
<395F8367838A836A8367838D8393834A8389815B8365838C8372283633292E786C73> (kahaku.go.jp)

ただ、トリニトロン管(というかブラウン管自体)もう、「失われた技術(ロスト・テクノロジー)」に
なりつつある状態かと。

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