BVシリーズからベータカセットを使用したENG用ビデオシステム「ベータカム」が登場です。
BVW-1とはカメラ部のBVP-1とVTR部のBVV-1を組み合わせたものを表すようです。
BVW-3の場合、BVP-3とBVV-1の組み合わせとなります。
また、VTRデッキが1台、再生専用機として発売されましたが、これについてもBVW型番を使用するようです。
ベータカセットを流用したシステムと言うことで、発売当時は機動力が求められるニュース取材での使用のみを想定したようですが、時が経つにつれて編集機も追加され、番組制作にも多く利用されるようになったようです。記録時間は短いものの、画質の良いコンポーネント記録方式を採用したのが良かったのではと思います。VHSに敗北したベータマックスですが、放送業界で標準となったこのベータカムフォーマットの方でしっかり元をとっているでしょう。
BVW-1は単管式のカメラだったと記憶しています。
BVW-1にはNHK仕様のものがあって、BVW-1Nというカメラだったと記憶しています。
単管ですのでレジ合わせは不要ですが、色再現が悪く1980年代に淘汰された機器でした。
BVW-1Nでは苦労しました。まず、色再現ができない!P感でも唇の色が紫でした。感度もひどかった!暗いと全く映らない。何よりも機械的なトラブルが多く、現場で立ち往生、肝心のニュースが撮れないこともありました。この時代にNHKの報道カメラマンだったものは異口同音にひどいカメラだったと言います。このカメラ、実はSONY主導ではなくNHK技術局主導でした。SONYの技術陣は市場に出したくなかったのをNHK技術局が「報道で使うのだからこの程度でいいだろう」と言う考えで導入しました。私の知る限り、民放でこれえを使ったのは岡山のローカル局OHKだけだったと思います。
先進性とかっこよさの裏には、初物ならではの不具合などがあったのですね・・・ということは実際に運用され、今も素材として蓄積されているのはSPになってからのものだと考えたらよいのでしょうか・・・
「現場の声を技術屋は知らない。いや、知ろうとしない。」 こう云われてしまっている感が滲み出ているような・・・
業務用/一般用の違いはあるにせよ自分も一応技術屋だった者でしたから、何か身につまされる思いです。