レンズブロックが回せる形状のDSC-F一桁シリーズから始まったCyber-shot。
その後、スティック型のPシリーズや薄型のTシリーズ、コンパクトカメラ形状のSシリーズ、高級コンパクトという概念を生んだ現行のRXシリーズと種類も色々出ました。
このFシリーズにはもう1つレンズ筐体にグリップが付いた感のあるF505から始まったF三桁シリーズというのがあったのですが、本機種はその最終モデル・DSC-F828です。
普通カメラのカタログでの該当機種による撮影物紹介って、その機種のメインになる機能を紹介する意味合いをも持たせる傾向があったりします。
本機種はどうなのかというとやけに緑っぽい作品なのですが・・・さて、それが意図するものとは?
でも何故か始めに出してきたのはカールツァイスのバリオゾナーT*レンズの話。もっとも技術提携に関してはハンディカムのほうが先(1996年のCCD-TR555)。
サイバーショットのほうは1999年のDSC-F55Kが第1号に。
p4にあった文面「追い求めたのは、人の目に映る色。」
如何に人の目に近づけるか・・・本機の3年前に発売された富士フイルム・FinePix4700Z(写真左)に搭載のハニカムCCDとか、
前年にシグマから発売されたSD9(写真右)に搭載された
Foveon X3センサー(こちらはCMOS)とかあったけれど、どちらも解像度を重んずるところが強かった。
ただ後者に関しては受光素子自体が光の3原色(R/G/B)ごとに捉える形だったこともあり、色の再現性をも目指していたところはあったのだが、
信号処理が上手くいかないと少なくとも当初はそれも難しいかと。
で、本機はというとカラーフィルターに注目したということ。解像度に関しては画素数を増やすやり方で対応し、色の再現性に関してはRGBにエメラルド(E)を追加。
赤・青・青緑の再現性を上げるということに。まあ本カタログの撮影例がやたら緑主体のものが多いのもそういうこと。
まあ撮像素子自体がそういう変化をしたならば当然信号処理系も一新しなければならないわけでして。
話がそれるのですが、自分はフィルムカメラに関しては当時ミノルタユーザーだったのですが、他に比べてレンズ交換式のデジタルカメラが
なかなか出てこなくて(2003年当時はニコン、キヤノンは中級機(D100/EOS 10D,Kiss Digital)をも出し、OMシステムをやめたオリンパスもフォーサーズという
新たなフォーマットを起こしてくるわ(E-1・写真左)、挙句にはエプソンもR-D1(写真右)というレンジファインダー仕様の機種を出してきたからねえ・・・)
そういうのを後目にしながら地団駄踏んでいた頃でした。
で、フィルムカメラ導入の際に迷っていたのがコンタックス。カールツァイスレンズを使ってみたかったというのもあったのですが、
流石にマニュアルのみ(注:一応AXというオートフォーカス対応の機種もあったが)では使いこなせるか?と思ったところにNシステムという
初めからオートフォーカス(というかデジタル対応を見通しての)の機種を出すということで発表会に行って実機に触れてみた。
使い勝手は思っていたほど悪くはない、ただレンズの本数があまりにも少なすぎた。ということで結局はミノルタ(α-7)にしたのですが。
前の話に戻ってそんな頃に、そういえばソニーのデジカメもカールツァイスとの提携のこともあってレンズを・・・ということで、本機を導入した次第。
確かにミノルタも一体型のデジタルカメラはやっていたし、丁度同時期には手振れ補正機能の付いたディマージュA1を出してはいたのだが、
「どうせならレンズ交換式で出してくれ!!」というのが本音でしたね。
まあ、コンタックスからもTVSデジタルが出ていたのでそっちにいくという手もあったけれど、信号処理系の懸念が払拭できなかったというのも。
使用感はどうだったかというと操作系は前出にあったコンタックス・N1みたいなところもあり(p18のマルチセレクター部:11。あれ、スティック操作)、
一体化するとこんな風になるのかなあ・・・ってな感じではあった。撮影データを見ても日中時の撮影はそれほど気にはならなかったのだが、問題は屋内夜間撮影。
ISO感度を上げるとISO:200相当からノイズが目につく感が否めなかった。