NT-2 1995年10月

投稿者: | 2021-12-27

デジタルマイクロレコーダー第2弾、NT-2の登場です。今回は名称無し?
どうもカセットコーダーの名称って「デンスケ」以外定着しないですね。
「プレスマン」はともかく、「2B」「ライブランド」「ウスロク」そして「スクープマン」。

NT(ノントラッキング)方式の詳細は、前モデル・NT-1でも挙げていますので省略します。
この回転ヘッドドラムをカセット側に寄せるという発想は他の機種にも生かされています。
再生専用のDATウォークマン・WMD-DT1はテープを筐体ごと手動でドラムに寄せる方法を取っていますが、
シャッターを開けた状態で寄せる方式はこの発想に近いところがあるかと。

前機種・NT-1との違い 操作系が押しボタン式からフェザータッチ式になったこと。
(但し、録音操作はロック機構付スライド仕様) 入出力端子を本体側に付けたこと。
表示部が大きくなって、動作状態並びにレベルメーター表示がついたこと。
そして何と云ってもオートリバース対応になったこと! 本機での自己録再が条件ですが、音切れ無しに
録音/再生が可能です。(反転時中の音声はメモリーに記録・再生という形で音切れなしを実現。)

そして別売ですが、頼れる相棒NTステーション・NTU-S1の登場です。
最大の特徴はサンプリングコンバーター内蔵によりデジタルtoデジタル録音が可能になります。
入力側は32,44.1,48kHzの3通り、出力は32,44.1kHzの2通りです。
また表示部もNT-2本体の倍の大きさで見やすくなり、タイマー録音/再生も可能になります。
また事前に録音時間を設定するとその半分の時間で反転記録する機能も。詳細はカタログの図を。

付属品は前機種NT-1同様にいたせりつくせり。フェザータッチ操作になったことにより、リモコンも付属に。


しかし悲しいことかな、本機以降NT方式のレコーダーは出ていません。
音楽用途やライブレコーディングには業務用ではDAT、民生用ではMDが席巻することとなり、
そして会議用にはICレコーダーの普及によってデジタルマイクロレコーダーの居場所はなくなりました。
やはり使い勝手、それと¥100,000超えという価格がネックだったかと。
本機は1999年末に生産完了。テープのほうも2011年4月末に供給終了に。
せめてもの救いは1994年版のギネスブックに「量産されている世界最小のテープ」と掲載されたことと、
1996年に提供番組「世界遺産」にてON-AIRされたCMが広告電通賞・テレビ部門・家庭用機器部門に
入賞されたことでしょうか。

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